- 公開日:2025.06.15
- 更新日:2025.06.18
Maxon User Meetup 関西 初開催レポート

~Flashback Japan × SYNCHROTRON Presents~
はじめに
2025年6月6日、京都・KYOCA京果会館3F hacoba にて、「MAXON User Meetup by Flashback Japan × SYNCHROTRON」が開催されました。
本イベントは、MAXON製品のユーザーを対象に、制作現場で活かせるテクニックや考え方を共有するだけではなく、「ユーザー同士の交流」を大きな目的として企画されたものです。
「つながる・学ぶ・創造する」という3つのテーマを掲げ、Flashback Japan様とSYNCHROTRONの共催により実現。SYNCHROTRONとしても初の関西開催となった記念すべき回となりました。
開催概要
- 日程: 2025年6月6日(金)18:00〜21:00
- 場所: KYOCA京果会館 3F hacoba(京都市)
- 主催: Flashback Japan / SYNCHROTRON
- 協力: MAXON Computer
- 司会: 河原秀樹(SYNCHROTRON)/榊原(あふたー屋・SYNCHROTRON)
- 登壇者:
- 柴山 正久(SYNCHROTRON)
- コンノヒロム氏(フリーランス)
- エドワード氏(フリーランス)
- 公式URL:https://flashbackj.com/maxon-user-meetup-flashback-synchrotron-2025



Opening Talk
Flashback Japan 岡本様より開会のご挨拶がありました。
「本日は、関西初のMAXONユーザー会を開催できることを大変嬉しく思います。多くの皆様にご来場いただき、心より御礼申し上げます。
本イベントでは、3名のスペシャリストより、ツールの活用法や実践的なアイデアをご紹介いただきます。何か一つでも新しい発見をお持ち帰りいただければ幸いです。
また、ユーザー同士の交流の場としてもご活用いただき、お仕事や作品について気軽にお話しいただければと思います。皆様からのご意見・ご感想は非常に貴重であり、今後の製品やサービスの改善に活かしてまいります。」

岡本様のご挨拶にはユーザー同士の交流を大切にしたいという言及もあり、
会場の雰囲気が和らいだように思いました。
イベントの空気をあたたかく包み込むような素敵なスタートでした。
SESSION 1|柴山 正久(SYNCHROTRON)
テーマ:Cinema 4Dを活用した業務制作の効率化
芝山は、自身のキャリアや独学経験を交えながら、現場で培ったCinema 4Dを中心とした「効率化の工夫」を紹介しました。
▶ 柴山正久氏 映像(リハーサル)
▶ 講演内容要点
- 制作上の悩み: スケジュールと予算という制約下での高品質な制作。
- 効率化の工夫:
- 〈データ管理〉 シンプルな3層フォルダ構造、命名ルール、メモタグ活用。
- 〈ユーザーデータ〉 Camera Rigの一元化による調整・引き継ぎの効率化。
- 〈スクリプト〉 名称変換・相対パス変換・エラー抑止ツールなどを内製。
▶ アンケートから見えたリアルな工夫
イベント事前に行ったアンケートより、様々な現場知見が共有されました。
- データ整理とフォルダ分けの徹底
- アルファベット命名と自動化による安定運用
- 非破壊構築/軽量化/プレビズの高品質化/仕事量の適正化
- 検索のロス削減のための階層設計/共有アセットの整備
- ストレージまで考慮した明確な構造設計
- スクリプトで単純作業の自動化、テンプレート活用、YouTube学習


柴山の講演は、業務として映像を制作するうえで避けて通れない「効率化」というテーマに対し、極めて具体的かつ実践的な視点を提示してくれる内容でした。
アンケートについても「うちでも同じことしてる」「これ真似したい」と感じた参加者の方も多かったのではないでしょうか。
SESSION 2|コンノヒロム氏
テーマ:あなたが知らないかもしれない Cinema 4D Tips 10選
Cinema 4D歴20年を超えるコンノ氏によるTips集は、まさに“職人芸”。
確実に作業が快適になる技が次々と披露されました。
▶ コンノヒロム氏 映像(リハーサル)
▶ 紹介されたTips(一部)
- HUDやビュー表示のカスタマイズ
- マルチウィンドウによる比較操作
- ショートカットを駆使した階層・選択・表示操作
- 記号による相対数式入力
- タイムラインマーカーのレイヤー管理による整理法


コンノヒロムさんのTips紹介は、どれも日々の作業を少しずつ快適にしてくれる内容ばかりで、
参加者の多くがうなずきながら静かにメモを取っていたのが印象的です。
「心地よい制作環境をどう整えるか」という問いに対する、経験者からの穏やかな回答のような講演でした。
▶ 【特典】Cinema 4D Tips40
また、今回発表できなかったCinema4Dをちょっと楽にするテクニックも公開頂いております。
【特典】あなたが知らないかもしれない Cinema4D TIPS 40
SESSION 3|エドワード氏
テーマ:RED GIANT Universe を使った即興HUDデザイン術
エドワード氏は、映画やゲームでおなじみのHUD(ヘッドアップディスプレイ)をAfter Effectsプラグインの「UNIVERSE」で構築する手法をライブで披露。
▶ エドワード氏 映像(リハーサル)
▶ HUDデザインのコツ
- 色は青+差し色に赤や橙
- 英語文字/細線/小さいフォントを多用
- 画面密度を最大化(=詰め込む)
- あらかじめパーツ(冷凍食品)をプリセット化しておき、組み合わせるだけで成立する「幕の内弁当方式」
▶ 実演内容
- UNIVERSEのエフェクトで名前/電話番号/グラフなどを自動生成
- 表示サイズや配置に応じて自動調整されるプリセット群
- 最後にディストーションとリピーターで“それっぽく”完成させる


「作りながら考えるのではなく、考えたものを瞬時に組み合わせて出力する」
密度の高い表現でありながら誰もが明日から試せるヒントに落とし込まれており、デザインの“見せ方”だけでなく“作り方”の自由度や再現性について深く考えさせられる講演でした。
▶ 【特典 配布】エドワードさん使用のMaxon Universe プリセット
今回のイベントでエドワードさんが実際に使用されたMaxon Universeのプリセットを、
みなさまにもお試しいただけるように公開いたします!
イベントでは即興でHUD風アニメーションを組み立てるデモが行われ、
多くの方から「あのプリセットが欲しい!」という声をいただきました。
今回、その声にお応えして、一部プリセットをサンプルとして共有いたします。
🔽 ダウンロードはこちら (DropBox)
⚠ ご利用にあたってのご注意
- 商用利用は可能です。クレジット表記も不要です。
- ただし、本プリセットの使用により発生したいかなるトラブル・損害についても、当方では一切責任を負いかねます。
- あくまで参考用・学習用・遊び用としてご活用ください。
懇親会・抽選会
19:30からは、SYNCHROTRON 永井代表の乾杯挨拶で懇親会がスタート。登壇者と参加者が自由に語り合う時間となり、デモ内容への質問や、日々の制作相談などで盛り上がりました。
終盤には、Flashback Japan提供によるプレゼント抽選会も実施。会場は笑顔と歓声に包まれながら、和やかな雰囲気でイベントは幕を閉じました。


社員の感想(文責:SYNCHROTRON ブログ編集部)
今回、主催者側として会場準備や登壇支援に携わりつつ、一人の映像制作者として参加者の皆さんの言葉に何度もうなずかされました。
柴山のセッションでは、「効率化」という言葉の裏にある葛藤やリアルな悩みに改めて共感するとともに、それを乗り越えるための小さな工夫の積み重ねが、いかに現場で力を持つかを感じました。
コンノ氏のTipsでは、「こんな機能あったの!?」という驚きと、「現場がもっと快適になる」という確信をもらえました。地味だけど、確実に生産性に直結する工夫の数々に“熟練”を見た気がします。
エドワード氏の講演は、HUDという一見“感覚”で語られがちな領域にも、論理と段取りがあるということを、笑いと驚きの中で見せてくださいました。
そして何より、会場で交わされた“生の言葉”こそが、私たちSYNCHROTRONにとって大きな学びでした。

さいごに
SYNCHROTRONでは、今後もこうしたナレッジ共有の機会を積極的に企画・発信していきます。クリエイター同士のリアルな知見が交わることで、もっと良い作品が、もっと快適な制作現場が広がっていく——そう信じて、次回も皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
つながる・学ぶ・創造する
そのすべてが詰まった夜でした。


登壇者プロフィール
■ 柴山 正久(しばやま まさひさ)
SYNCHROTRON所属の3DCGディレクター。Cinema4Dを用いて、CMや製品ブランディングなど多様な映像を制作しています。
Website: synchrotron.co.jp
■ コンノヒロム
フリーランスの3DCGアーティスト。最近はPR映像などのマスコットキャラクターのお仕事が多いです。Cinema 4D歴22年ぐらい。
X: @hirotsu162
YouTube: @hiromukonno
Website: hk3d.jp/
■ After Effects Overdrive エドワード
京都を拠点に活動しているフリーの映像デザイナー。自身のYouTubeチャンネルでAdobe After Effectsのチュートリアル動画を配信。またXでは趣味でAfter Effectsのお悩みツイートを解決して回っています。「アフターエフェクト」という文字列を含めて問題をつぶやくと参上します。
X: @functiontales
YouTube: After Effects Overdrive
Website: functiontales.com